相続財産とならないものは?

相続財産とならないものは?

⑨公営住宅の使用権

 

民間の借家の場合は、今、述べたように、賃借権は相続の対象ですが、都営や市営住宅など、公営住宅の場合は民法上の権利ではなく公法上の権利であるため、少し速います。

 

公営住宅は公営住宅法の適用を受けますが、この法律では、低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を提供することによって、国民生活の安定や社会福祉増進に寄与することを目的として、入居資格や入居者の選考基準を厳格に定めており、各地方自治体の条例でも公営住宅法の趣旨に基づいて同様の基準を定めています。

 

それにもかかわらず相続による使用権の承継を認めてしまうと、入居資格のない人でも、相続によって入居できる場合が生じるという不都合があるのです。

 

平成2年の最高裁判例でも、公営住宅の使用権に関しては、相続による承継を否定しています。

 

ただ、入居者が死亡したときでも、同居の親族の場合には、各地方自治体の条例に従って手続きをすれば、承継が認められるのが普通です。

 

⑨内縁の妻の相続権

 

相続人がいない場合には、借地借家法によって、内縁の妻等は借家権を引き継ぐことができます。

 

もし、借家権を引き継ぐ気がなければ、1か月以内に引き継がない旨を表示しなければなりません。

 

しかし、借地権に関しては、このように内縁の妻等が権利を引き継ぐ制度はありません。

 

⑨お墓

 

法律上、お墓や霊図の、水代使用権は「祭杷財産」と呼び、相続財産には含まれません。

 

お墓を承継する場合は、まず、そのお墓を所有していて亡くなった人の意思が重視されます。

 

つまり、お墓の所有者の意思によって承継されるのです。

 

誰を承継人とするかは、生前の指定でも遺言による指定でも構いません。

 

そして承継人は相続人や親族以外でもかまいません。

 

承継人の指定は口頭でもよいのですが、後日の紛争を防止するために、できるだけ書面で残した方がよいでしょう。

 
また、お墓を承継する場合には、通常は仏壇や仏具も承継することになります。

 
もし、これらが非常に高価なものであっても、これも祭杷財産であり、相続財産とはなりません。

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